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コラム2011.10.1

【コラム】適用額明細書(新たな法人税申告書添付書類)

筆者:高橋

期末における資本金の額が1億円以下の法人(資本金の額が5億円以上の法人による完全支配関係がある法人を除く。)については、所得金額のうち年額800万円までの金額について軽減税率18%が適用されています。
本来、中小企業者等について法人税法上適用されるべき税率は22%ですが、租税特別措置法の適用により対象法人については18%の軽減税率が適用されていることとなります。
今後、このような租税特別措置法による法人税の優遇措置の適用を受けている場合には、「適用額明細書」という添付書類の提出が義務づけられることとなりました。

適用される理由

租税特別措置に関して、その適用状況の透明化を図るとともに適切な見直しを推進し、国民が納得できる公平で透明な税制の確立に寄与することを目的として、平成22年3月に租税特別措置透明化法が可決されました。これに伴い、法人税関係特別措置の適用を受ける場合には、「適用額明細書」を法人税申告書に添付しなければならないこととなりました。

適用時期

平成23年4月1日以後に終了する事業年度又は連結事業年度からの適用となります。

適用範囲

以下に掲げるような法人税関係特別措置を適用する場合に、「適用額明細書」への記載が必要となります。

(1)法人税の特別税率について、軽減税率18%の適用を受ける場合
(2)中小企業者等が機械等を取得した場合の特別控除、特別償却の適用を受ける場合
(3)事業基盤強化設備等を取得した場合等の特別控除、特別償却の適用を受ける場合
(4)認定特定非営利活動法人に対する寄附金の損金算入等の特例の適用を受ける場合
(5)中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例の適用を受ける場合

なお、その他の法人税関係特別措置の詳細については、国税庁のホームページにおける「適用額明細書の記載の手引」において掲載されています。

「適用額明細書」の添付もれ等があった場合の対応

「適用額明細書」の添付もれや記載誤り等があった場合には、できるだけ速やかに適正な「適用額明細書」を提出する必要があります。適正な「適用額明細書」の提出がない場合には、上記3に掲げたような法人税関係特別措置の適用を受けることができなくなってしまうためご留意下さい。

「適用額明細書」の適用額が変更となる修正申告書を提出する場合

変更後の適用額に基づいた「適用額明細書」の修正申告書への添付が必要となりますのでご留意下さい。

地方税

租税特別措置透明化法において、行政機関の長等は、財務大臣に対し「適用額明細書」によって得られた情報の提供を求めることができる旨が定められています。従って、地方税申告書の提出に際しては、この規定に伴って新たに添付が必要となる書類はありません。

添付の対象とはならない租税特別措置(例)

・交際費等の損金算入
・内国法人に係る特定外国子会社等の課税対象金額の益金算入

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