筆者:大石 司
国税庁においては納税者の利便性の向上等の観点から、申告手続等のオンライン化、事務処理の電子化、押印の見直し等、国税に関する手続や業務の在り方の抜本的な見直しが進められています。その一環として申告書等の控えへの収受日付印の押なつに関して見直しが行われました。
令和7年1月から、申告書等の控えに収受日付印の押なつを行わないこととする見直しが行われました。
これまで書面申告等における申告書等の提出(送付)の際に正本(提出用)と併せて控えを提出することで控えに収受日付印の押なつが行われていたため、その控えを保管することにより提出年月日の記録及び管理が可能でした。
令和7 年1 月以降は収受日付印の押なつが行われなくなるため、正本(提出用)のみを提出(送付)することとなり、申告者側で提出年月日の記録と管理をする必要があります。
※ 対象となる「申告書等」とは、国税に関する法律に基づく申告、申請、請求、届出その他の書類のほか、納税者の方が、他の法律の規定により、若しくは法律の規定によらずに国税庁、国税局(沖縄国税事務所を含む。)、税務署に提出される全ての文書をいいます。
令和6 年12 月までは申告書等の控えの収受日付印により提出事実及び提出年月日を確認することができますが、令和7 年1 月以降はそれ以外の方法で確認することになります。申告書等の提出事実及び提出年月日を確認する方法は、以下のとおりです。
金融機関や行政機関から申告書の提出を求められる際は、収受印付きのものを求められることが多いと思われます。この点について国税庁では既に金融機関や行政機関等に説明を行っており、令和7 年1 月までに改めて説明・周知するとのことです。また、令和7 年1 月以降の当分の間、希望者には窓口で交付するリーフレットに申告書等を収受した日付や税務署名を記載したものを配付することが検討されています。
今後、金融機関や行政機関がどのように対応するのか不明ではありますが、電子申告をしていれば申告書に受付日時が印字されるため提出の事実確認の問題は解決されると考えられます。収受印の代替案を検討するよりも、納税者自身がDX 化を促進し、電子申告をすることが一番の対策になると思われます。